ステージプロット・セッティング図・ステージ図はセット図と同じ?呼び方の対応表【全部同じ1枚でOK】
ライブハウスからは「セット図」、PAさんからは「ステージプロット」、別の会場からは「セッティング図」や「セッティング表」を送ってと言われて、同じものなのか別のものなのか迷っていませんか。結論から言うと、これらは全部「ステージを真上から見た配置図」=同じ1枚です。この記事では、誰がどの呼び方を使うかを対応表で整理し、英語での書類名、本当に別物の3つ(仕込み図・回線表・セットリスト)、そしてどの呼び方で頼まれても通る1枚の中身までまとめます。
結論:ステージプロット・ステージ図・セッティング図・セッティング表は「セット図」と同じもの
先に答えを言うと、ステージプロット/ステージ図/セッティング図/ステージセッティング図/セッティング表/ステージ配置図は、どれも「セット図」のことです。指しているのは同じ1枚=ステージを真上から見て、演者の立ち位置と機材の置き場所を記号で示した配置図。違うのは「誰が・どこで」その言葉を使うかだけで、書く内容も提出する目的も変わりません。
ですから、ひとつ作っておけばどの呼び方で頼まれても同じ1枚を出せば足ります。「セッティング表って、セット図とは別に作るの?」と悩む必要はありません。
呼び方の対応表(誰が・どこで使うか)
呼び方ごとに「主に使う人・場面」と「中身」を並べました。上から7つはすべて同じ配置図で、違いは用紙の形だけです。
| 呼び方 | 主に使う人・場面 | 中身 |
|---|---|---|
| セット図 | ライブハウス・バンド全般。いちばん一般的な呼び方 | 配置図そのもの |
| ステージプロット | PA会社・音響スタッフ・大型フェス・海外。英語の stage plot | 同じ。英語ラベルで書くことが多い |
| ステージ図 | 会場の出演要項・イベント主催者。「ステージ図を添付」など | 同じ |
| セッティング図 | ライブハウスの提出フォーム。「ステージセッティング図」とも | 同じ |
| セッティング表 | ライブハウスが配る提出用紙の名前。図のほかに曲順・SE・照明の欄がある | 配置図を含む用紙全体 |
| PA表 | 同じく提出用紙の名前。マイク・返し・回線など音響の欄が多め | 配置図+音響の情報 |
| ステージ配置図 | 学校・吹奏楽・ホール公演。単に「配置図」とも | 同じ。ひな壇や譜面台も書く |
| 仕込み図 | 舞台・照明・音響の業界用語。セット図より範囲が広い | 別物に近い(次の節で解説) |
なぜ呼び方がバラバラなのか
同じものに名前が何通りもあるのは、セット図を使う3つの世界が、それぞれ別の言葉で育ってきたからです。
- ライブハウスの世界=「セット図」「セッティング図」「セッティング表」「PA表」。対バン形式で毎回バンドが入れ替わるため、会場ごとに提出用紙を作って配ってきました。その用紙の名前が、そのままバンドの覚える言葉になります。
- 音響・舞台の世界=「ステージプロット」「プロット」「仕込み図」。PA会社や舞台スタッフは英語や演劇の用語を使うので、同じ図でも英語名で呼びます。大型フェスや海外のバンドとの共演で出てくるのはこちらです。
- 学校・ホールの世界=「ステージ配置図」「配置図」。吹奏楽や合唱、定期演奏会では、ひな壇や譜面台まで含めて「配置図」と呼ぶのが普通です(吹奏楽の配置図の書き方)。
ですから、同じバンドが3つの会場に出ると3つの呼び方に出会う、ということが普通に起こります。言葉が違っても相手が欲しいのは「配置図」なので、慌てずにいつもの1枚を出しましょう。
似ているけど別物の3つ(仕込み図・回線表・セットリスト)
一方で、次の3つは名前が似ていても中身が違うので、混同すると「頼んだものと違う」が起こります。
| 書類 | 何の資料か | セット図との関係 |
|---|---|---|
| 仕込み図 | 舞台美術・照明・音響・電源まで含む設営図。演劇やホール公演で舞台監督・音響さんが描く | セット図は仕込み図の中の「演者と楽器の部分」。バンドが仕込み図を求められることはまれ |
| 回線表 | 各チャンネルに何の音を入れるかの一覧。インプットリストとも | セット図とセットで渡す別紙。書き方は回線表のテンプレートと書き方 |
| セットリスト | 演奏する曲の順番表 | 名前が似ているだけでまったく別物。セットリストの書き方 |
セット図とは(定義と中身をおさらい)
あらためて、セット図とは、ステージを真上から見たときの演者と機材の配置を簡略化した図です。ライブハウスやPA(音響)が、あなたの本番のセッティングをリハ前に準備するために使います。客席から見た向きで描き、次の情報が入っています。
- 編成・人数・パート、各メンバーの立ち位置
- アンプの機種と持込/レンタルの区別
- ボーカル・コーラスのマイク、ドラム構成
- 返し(モニター)の位置・要望、DI・電源・ワイヤレスの有無
この1枚を「セット図」と呼んでも「ステージプロット」と呼んでも、描くものは変わりません。細かい書き方のルール(上手下手の向き、記号の意味)はセット図の作り方・書き方【完全ガイド】にまとめています。
なぜ必要?誰が使う?
理由はシンプルで、PAとライブハウスが本番の準備を先に済ませておくためです。事前に配置図があれば、アンプの位置やマイク・返しのセッティングをリハ前に用意できます。無いと、限られたリハーサル時間が確認に消えてあなたのリハ時間が削られます。
- 演者(バンド・弾き語り・SSW)= 作って提出する
- ライブハウス/ブッキング担当= 受け取って転換の段取りと進行に使う
- PAエンジニア= 音響のセッティングと回線の下準備に使う
- 学校・主催者= ひな壇・譜面台・電源の準備と転換の計画に使う
英語ではどう呼ぶ?書類名の日英対応表
海外のバンドとの共演や大型フェスでは、書類の名前が英語になります。セット図は Stage Plot。ほかの提出物も含めて対応表にしました。
| 日本語 | English | メモ |
|---|---|---|
| セット図 | Stage Plot | 単に plot とも。海外では提出の標準資料 |
| 回線表 | Input List | Channel List とも。各chの楽器とマイク・DI |
| セットリスト | Set List | 曲順表 |
| PA表・セッティング表 | (直訳なし) | Stage Plot+Input List を1枚にしたもの、と説明すれば通じる |
| 技術要件書 | Tech Rider | 会場に用意してほしい機材・電源の要件書。海外では Stage Plot をこの中の1ページとして出す |
| 返し | Wedge / Monitor | Floor Monitor とも |
| イヤモニ | IEM | In-Ear Monitor |
| 上手・下手 | Stage Left / Right | ⚠️ 演者目線なので日本と左右が逆になる |
海外やフェスでは、Stage Plot と Input List をテクニカルライダー(Tech Rider)という1つのPDFにまとめて提出するのが標準です。日本のライブハウスでは図と回線表を別紙にすることが多いので、頼まれた形式に合わせて1枚にするか分けるかを決めれば十分です。
どの呼び方で頼まれても通る「1枚」の中身(7項目)
呼び方が違っても、相手が知りたいことは同じです。次の7項目が入っていれば、セット図・ステージプロット・セッティング図・ステージ図のどれで頼まれても不足はありません。
- 編成と立ち位置(Vo・Gt・Ba・Dr・Key などのパートと、客席から見た並び)
- アンプの機種と持込/レンタル(JC-120 を借りるのか、自分のアンプを持ち込むのか)
- マイクの本数と場所(ボーカル・コーラス・楽器用。手持ちかスタンドか)
- ドラムの構成(タム数・持込のスネアやペダル・電子ドラムの有無)
- 返し(モニター)の位置と希望(「自分の声を多め」など一言でOK)
- DI・電源・ワイヤレス(キーボードやエレアコのDI、要電源の機材、ワイヤレスの使用)
- バンド名・日付・連絡先(出演者リストと同じ表記で)
そのうえで、呼び方によって「足すと親切なもの」が少し変わります。
| こう頼まれたら | 足すと親切なもの |
|---|---|
| セッティング表 | 曲順・SE・照明の欄が同じ用紙にあることが多い。空欄にせず「おまかせ」でも書く(PA表・セッティング表の書き方) |
| ステージプロット | 英語ラベルと回線表を同じPDFに。ワイヤレスの周波数帯まで書くと喜ばれる |
| 配置図 | ひな壇・譜面台・椅子の数と、転換で動かすものの区別 |
| PA表 | マイク本数・返しの数・DIの有無を、図だけでなく表でも書く |
呼び方が分からないときの確認の一言(例文)
会場の言葉が自分の知っている言葉と違うときは、作る前にひとこと確認するのがいちばん早い解決策です。相手も「配置図のことです」で済むので、遠慮はいりません。
ライブハウスによっては指定の用紙(Excel・PDF)を配っていることもあるので、「指定のフォーマットはありますか?」も一緒に聞いておくと二度手間になりません。提出メールの全文例や期限の目安は対バンのセット図はいつまでに提出?にまとめています。
作り方はかんたん
「呼び方は分かった、で、実際どう作るの?」という方は、セット図の書き方【完全ガイド】で、上手下手のルールから編成別の記入例まで解説しています。白紙から描くのが不安ならセット図の無料テンプレート(PDF・Excel)をダウンロードして埋めるのが早く、そのまま作るなら作図ツールで1分です。できた1枚は、セット図・ステージプロット・セッティング図のどの依頼にも同じものを出せます。