ビッグバンドの配置図・並び方|ひな壇の段数とマイク本数、17人の標準配置【A4シート無料】
ビッグバンドの配置図で迷うのは、誰がどこに座るのか、ひな壇は何段いるのか、マイクは何本頼むのかの3つです。標準の17人(サックス5・トロンボーン4・トランペット4・リズム隊4)は、吹奏楽の配置図とも、4ピースのバンドのセット図とも書き方が違います。結論から言うと、前列サックス・中段トロンボーン・後段トランペットの3列で、リズム隊は下手にまとめる。この記事では、セクション内の並び順の流儀、ひな壇の段数と高さの実例、ホール・ライブハウス・学祭野外でのマイク本数、椅子・譜面台・平台の数え方、人数が欠けたときの変形までを、そのまま印刷して埋められるA4シート(無料・PDF4ページ)つきで解説します。
- 結論:3列+リズム隊は片側。配置図に書くのは「並び・段・本数」の3つ
- 17人の標準配置図——前列Sax・中段Tb・後段Tp、リズム隊は下手
- セクション内の並び順——サックスは流儀2種、金管は「2・1・3・4」
- ひな壇は何段?——Tb 1段・Tp 2段が標準、段がなければ Tp は立奏
- マイクは何本?——ホール・ライブハウス・学祭野外で6本から20本
- 搬入チェックリスト——椅子・譜面台・譜面灯・平台・電源の数え方
- 人数が欠けた・ボーカル入り・ピアノなし——変形の書き方
- リハーサルで確かめること(ひな壇のある会場は順番が大事)
- ビッグバンド配置図シート(A4・4ページ)を無料ダウンロード
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
結論:3列+リズム隊は片側。配置図に書くのは「並び・段・本数」の3つ
ビッグバンドの配置図でホールや会場に伝えることは、突き詰めると3つです。17人分の椅子と譜面台を並べるのは舞台係で、当日の朝この紙を見てそのとおりに組みます。だから評価されるのはきれいな図ではなく、数と位置が合っている図です。
- 並び——前列サックス・中段トロンボーン・後段トランペットの3列。リズム隊は下手に片寄せし、左右に分けない
- 段——トロンボーン列を1段、トランペット列を2段に載せる。段が1つしかなければトランペットは立奏
- 本数——椅子・譜面台・平台・マイクの数。譜面台は1人1台、マイクは会場によって6本から20本まで幅がある
標準の17人は、次の内訳です。人数が違うときの変形は後半にまとめました。
| セクション | 人数 | 役割と置き場所 |
|---|---|---|
| サックス | 5本 | アルト2・テナー2・バリトン1。前列。リードはアルト |
| トロンボーン | 4本 | 3本+バストロンボーン1。中段。スライドの前に空間がいる |
| トランペット | 4本 | 後段。いちばん音が通るので、いちばん高い段か立奏 |
| リズム隊 | 4人 | ピアノ・ギター・ベース・ドラム。片側(下手)にまとめる |
この記事は17人の並びとひな壇とセクションマイクに絞っています。コンクールに出す吹奏楽の様式は吹奏楽のステージ配置図の作り方、ロックバンドに管が2〜4本入る場合のマイクは別の記事で扱います。
17人の標準配置図——前列Sax・中段Tb・後段Tp、リズム隊は下手
まず全体の形です。ジャズのビッグバンドで長く使われてきたブロック配置は、サックスを一列に、その後ろにトロンボーン、さらに後ろにトランペットを置きます。ニューヨークのビッグバンドを率いる編曲家デイヴィッド・バーガーは、リハーサルに着いて最初にやることを「椅子と譜面台をこの形に並べること」と書いています。
図のポイントは4つあります。
- リードは各列の中央——リードアルト・リードトロンボーン・リードトランペットが縦に揃うと、両隣がリードを聴いてフレーズと強弱を合わせられます。リードを端に置く並びはありません
- Tb は Sax の間、Tp は Tb の間——椅子を半分ずらす(千鳥)と、トロンボーンのスライドが前の人の頭に当たらず、客席からも全員の顔が見えます
- リズム隊は下手にまとめる——ドラムはトランペットの隣(最後列)、ベースはトロンボーンの隣、ピアノはサックスの隣(前)、ギターはピアノの曲線部。左右に分けると、ベースとドラムがお互いの手を見られなくなります
- ソロの多い席はリズム隊寄り——2ndテナー・2ndトロンボーン・2ndトランペットがリズム隊に近い席に来るので、管とリズム隊の間に細い通路を空けておくと、ソロで一歩前に出られます
記号の描き方はセット図の作り方・書き方の早見表と同じで、四角=奏者(楽器名かパート番号を書く)、丸=ドラム、台形=返しです。吹奏楽のように○と×で書く様式を会場から渡された場合は、その様式に従ってください。
セクション内の並び順——サックスは流儀2種、金管は「2・1・3・4」
列が決まったら、列の中で誰がどこに座るかです。譜面の番号(1st・2nd…)と席順はバンドごとに違い、「これが正解」はありません。ただ、よく使われる型は2つに絞れます。並びは下手から上手へ(客席から見て左から右)で書いています。
| セクション | 並び(下手→上手) | 理由・使っている楽団 |
|---|---|---|
| サックス① | 2nd T → 4th T → 1st A → 3rd A → Bari | Ellington・Louie Bellson が使った形。テナー2人が隣で合わせやすい。楽器店メディアでは「近年の主流」 |
| サックス② | 2nd T → 3rd A → 1st A → 4th T → Bari | Count Basie・Mel Lewis・秋吉敏子らの形。リードをアルト2人で挟み、ハーモニーが混ざる |
| トロンボーン | 2nd → 1st → 3rd → 4th(Bass) | 時代や楽団を問わずほぼ同じ。リードが中央、ソロの多い2ndがリズム隊側、バストロンボーンは上手端 |
| トランペット | 2nd → 1st → 3rd → 4th | トロンボーンと同じ。Sax・Tb・Tp のリードが縦一直線になるように置く |
サックスの2つの流儀の違いは、真ん中のリードを挟む2人がテナーかアルトかだけです。テナー2人を隣にする①は「テナー同士で音を合わせやすい・経験の浅い3番4番の隣に教えやすい人を置ける」、アルト2人で挟む②は「ハーモニーがよく混ざる」が理由として挙げられます。メンバーで試して、決めたほうを配置図に番号で書くのが、トラ(サポート)が入ったときにもいちばん伝わります。
ひな壇は何段?——Tb 1段・Tp 2段が標準、段がなければ Tp は立奏
ビッグバンドの配置図でいちばん抜けやすいのがひな壇(雛壇)です。後ろの列を高くするのは、トランペットの音を前列の頭越しに客席へ飛ばすためと、後列の顔を客席から見せるためです。標準はトロンボーン(とベース)を1段、トランペット(とドラム)を2段に載せる形です。
| 段 | 高さの実例 | 載せるもの・注意 |
|---|---|---|
| 段なし | ライブハウス・小さな会場 | Tp は立奏。Tb の椅子は Sax の間、Tp は Tb の間に置き、前の人の背中に吹かない |
| 1段 | 約15〜20cm | Tb(と Ba)を載せる。Tp は立奏で後ろから見せる。名古屋市のホールの1段=+15cm、Lakeside Jazz Festival の Tb 用=8インチ(約20cm) |
| 2段 | 約36〜42cm | Tp(と Dr)を載せる。Lakeside の Tp 用=14インチ(約36cm)、名古屋市のホールの2段=+42cm |
| 3段以上 | 約63〜68cm | ドラムだけ、または大編成の見せ場用。先に奥行が足りるかを会場に確かめる |
段が1つしか組めないときは、トロンボーンをその段に載せ、トランペットは立奏にすればトロンボーンより高くなります。ニューヨークの老舗ジャズクラブのようにひな壇がまったくない会場では、トランペットが立って吹くのがいちばんの解決策で、デイヴィッド・バーガーのバンドも毎週の出演でそうしています。ただし立奏にしても、ドラムはピアノとベースの後ろに隠れたままなので、ドラムを見せたいならドラムだけ段に載せるという選択になります。
マイクは何本?——ホール・ライブハウス・学祭野外で6本から20本
ビッグバンドのマイク本数は、会場で決まります。もともと小さな会場で生音を聴かせる編成なので、音響反射板のあるホールでは「ソロとボーカルだけマイク」、生音が届かない野外では「全員マイク」と、同じ17人でも必要な本数が3倍変わります。3つの場面で分けて書くとこうなります。
| 場面 | 拾い方 | 本数の目安 |
|---|---|---|
| ホール | 管は生音。ソロとボーカルだけマイク | ソロ用1〜2本+Vo/MC 1本+Ba(DI)+Pf・Dr は薄く=6〜8ch。返しは Vo・ソロ用に1〜2台 |
| ライブハウス | セクションマイクで列ごとに拾う | Sax 2〜3本・Tb 2本・Tp 2本+ソロ1本+Vo/MC 1本+Dr(TOP2+Kick)+Ba DI+Gt 1+Pf/Key ライン=約14〜16ch |
| 学祭・野外 | 全部マイクで拾う(生音が届かない) | Sax 5本・Tb 2本・Tp 2〜4本+ソロ1本+Vo 1本+Dr 3本+Ba・Gt・Pf=約18〜20ch。持込PAの卓は24ch以上 |
セクションマイクとは、奏者1人ずつではなく列ごとに2〜3本で拾うマイクのことです。野外のジャズフェスでビッグバンドを担当した音響家の例では、サックス5本はベルの至近で1人1本、トロンボーンは4人に2本、トランペットはあえて本数を減らして少し外し気味に向け、ピアノはライン、ギターはマイクとラインの両方、ベースはアンプが小さければマイクで拾っています。ライブハウスならこの形を少し減らしたものになります。
ソロマイクとボーカルマイクはどこに置く?
| マイク | 位置 | 書き方のコツ |
|---|---|---|
| ソロマイク | Sax 列の前、リズム隊寄り | ソロの多い 2nd Tenor・2nd Tb・2nd Tp が一歩で出られる位置。管とリズム隊の間に細い通路を空ける |
| Vo/MC | センター前 | ボーカルはマイク+返し1台がセット。ソロマイクと兼用にしない(曲の途中で取り合いになる) |
| 場立ちソロ | セクション前のグースネック | 奏者が自分でマイクをベルに向ける。立って吹く Sax のソロはこれで足りる |
有線とワイヤレスは分けて書きます。ワイヤレスは受信機の数が上限で、横浜・ミズキーホールは6本まで、新宿SAMURAI は5本。17人の管を全部ワイヤレスにする前提は成り立たないので、管は有線(スタンド)、動く人だけワイヤレスが基本です。 周波数の申告はワイヤレスマイクをライブで使う注意点を参照してください。マイクを1本ずつ回線にする表は回線表(インプットリスト)の書き方にあり、ドラムのマイクの立て方はドラムのマイキングに分けています。
搬入チェックリスト——椅子・譜面台・譜面灯・平台・電源の数え方
配置図と一緒に出すのが数の表です。ホールの申込書には「椅子◯脚・譜面台◯台・ひな壇◯段・マイク◯本・電源◯口」を書く欄が並んでいて、ここが空欄だと舞台係が準備できません。17人の標準で数えるとこうなります。
| 品目 | 17人の標準 | 数え方のコツ |
|---|---|---|
| 椅子 | 管13脚(Tp 立奏なら9脚)+Gt 1脚 | ドラムはスローン持参、ピアノはピアノ椅子。ベースは立奏か高い椅子(「ベース椅子」を置くホールもある) |
| 譜面台 | 18台(17人+MC/指揮)+予備1 | 1人1台が原則。低く寝かせて正面に。所沢市のホールは10台しかなく、半分は持込か借用 |
| 譜面灯 | 照明を落とすなら人数分 | ホールの灯付き譜面台は数に限りがある(名古屋市のホールで62台)。電源の延長も一緒に頼む |
| 平台 | Tb 列=幅2枚×奥行2枚が目安 | 3尺×6尺(約91×182cm)が単位。4人の列は幅約3.6m。奥行は椅子+譜面台+スライドで1枚では足りない |
| 箱馬・足 | 段ごとに会場が用意 | 箱馬(高さ18〜33cm)や開き足で高さを作る。段数と高さだけ伝えれば組み方は舞台係が決める |
| 電源 | 下手のリズム側に2〜3口 | Ba アンプ・Gt アンプ・キーボード・譜面灯。延長ドラムの位置も図に書く |
学園祭の野外ステージでは、これに加えて電源の容量と雨天の扱いを決める必要があります。学園祭・大学祭の野外ステージ配置図に、電源の計算と雨の日の段取りをまとめています。
人数が欠けた・ボーカル入り・ピアノなし——変形の書き方
学生バンドや社会人バンドでは、17人が毎回そろうほうが珍しいでしょう。足りないときの原則は「リードは中央のまま、端から減らす」、増えるときの原則は「リードは重ねない」です。
| 変形 | 並びの変え方 | 図に書くこと |
|---|---|---|
| Tb 3・Tp 3 | リードは中央のまま、4th の席を空ける | 「Tb 3(Bass Tb なし)」と人数を書く。椅子・譜面台も減らす |
| Sax 4 | バリトンなしなら上手端を空け、Bass Tb と Ba で低音 | 「Sax 4(Bari なし)」。2nd テナーは下手端のまま |
| ボーカル入り | センター前(Sax 列の前)に Vo マイク | ソロマイクと別に1本+返し1台。曲ごとの出入りはセットリストに |
| ピアノなし | Gt がピアノの位置(Sax の隣)へ | キーボード持込なら電源と DI×2(ステレオ)を書く |
| Tp 5本 | 「3・2・1・4・5」のように外側へ足す | 5本目は 4th と同じパートを重ねる。リードは重ねない |
トラ(サポート奏者)が入る日は、配置図にパート番号で席を書いておくと、初めて来た人でも自分の椅子が分かります。トラの頼み方と当日の扱いはサポートメンバー・トラとはに、曲ごとのソロの割り振りはセットリストの書き方にまとめています。
リハーサルで確かめること(ひな壇のある会場は順番が大事)
ひな壇のある会場のリハは、段が組み上がってからでないと音が決まりません。段の上の椅子の位置がずれるとスライドが当たり、トランペットの高さが変わると客席への飛び方も変わるからです。この順で進めます。
- 段と椅子・譜面台の位置を先に固定する——配置図のとおりか、スライドの前の空間があるかを、座ってから確かめる
- リードの縦の列を合わせる——Sax・Tb・Tp のリードが縦に並んでいるかを客席側から見る
- ソロマイクの位置と通路——2nd の席からソロマイクまで、譜面台を倒さずに出られるか
- いちばん大きい曲と、いちばん小さい曲——フルバンドのシャウトと、リズム隊だけのバラードを1コーラスずつ。PAはこれで音量の上限と下限を決められる
- ボーカルと返し——ボーカル曲があれば、必ず17人が鳴っている状態で返しを確かめる
リハ全体の流れはサウンドチェック・リハの流れに、演奏会のタイムテーブルと転換は定期演奏会の進行表にまとめています。
ビッグバンド配置図シート(A4・4ページ)を無料ダウンロード
ここまでの内容を、そのまま印刷して埋めるだけのA4シートにしました。1ページ目が記入用(セクションごとの人数・並び・椅子と譜面台・マイク・段の表、3列の配置図、ひな壇・返し・電源・持込の欄)、2ページ目が17人の記入例、3ページ目が並び順・ひな壇・マイク本数の早見表、4ページ目が搬入の数え方・変形・提出前チェック13項目です。登録不要・完全無料、印刷も配布も改変も自由です。
使う順番は3ステップです。① 3ページ目の早見表で並び順の流儀と段数を決める → ② 1ページ目のセクション表に人数・並び・椅子と譜面台・マイクを書く → ③ 配置図に3列を描き、ひな壇・返し・電源・持込の欄を埋める。この3つが埋まっていれば、当日ステージの組み方で止まることはまずありません。
まとめ
- 並びは前列Sax・中段Tb・後段Tpの3列。リードは各列の中央で縦に揃え、Tb は Sax の間、Tp は Tb の間に
- リズム隊は下手にまとめる(Dr は Tp の隣、Ba は Tb の隣、Pf は Sax の隣)。左右に分けない
- サックスの並びは「2・4・1・3・5」か「2・3・1・4・5」、金管は「2・1・3・4」。2ndテナーは下手端、バリトンは上手端
- ひな壇はTb 1段(約15〜20cm)・Tp 2段(約36〜42cm)。段が1つならTp は立奏。奥行は列ごとに平台2枚が目安
- マイクはホール6〜8ch・ライブハウス14〜16ch・野外18〜20chが目安。ソロマイクは Sax 前のリズム隊寄り、ボーカルはマイク+返し
- 譜面台は1人1台+MC、椅子は管13脚(Tp 立奏なら9脚)。有線とワイヤレスは分けて書く


