学園祭・大学祭の野外ステージ配置図の作り方【電源容量・雨天対応・無料DL】
「大学祭の野外ステージ、配置図を出せと言われたけど屋内と何が違うの?」「電源は足りるの?」「雨が降ったらどうなる?」——結論から言うと、屋外の配置図は屋内のセット図に4つの欄を足しただけです。足すのは①ステージの寸法 ②電源 ③雨天 ④搬入の4つ。この記事では、仮設ステージの定番寸法から配置を決める手順、消費電力の足し方と発電機の容量、雨天時の代替レイアウトまでを、そのまま印刷して埋められるA4シート(無料・PDF4ページ)つきで解説します。
結論:屋外の配置図は「屋内の図+4つの欄」
ライブハウスに出すセット図と、屋外ステージの配置図で、書く中身の8割は同じです。立ち位置、アンプの位置、マイクの本数、返しの位置——ここは変わりません。屋外で足りなくなるのは、建物が面倒を見てくれていた部分です。
| 足す欄 | 書くこと | 書かないと起きること |
|---|---|---|
| ① 寸法 | ステージの間口×奥行(m)と高さ(mm) | 奥行が足りず、当日アンプの置き場が無い |
| ② 電源 | 必要な合計Wと口数・位置、発電機の有無 | 本番中にブレーカーが落ちる |
| ③ 雨天 | 判断時刻・判断する人・B案/C案の配置 | 当日の朝に全員で揉める |
| ④ 搬入 | 搬入経路・機材置き場・昇降(階段) | 通路が機材で埋まって転換が止まる |
① ステージの寸法を先に確認する(図より先)
屋外でいちばん多い失敗が、先に配置を決めてから寸法を知ることです。仮設ステージは「間(けん)」=1.8mを単位に組むので、実行委員からは「2間×3間ね」と言われます。これをmに直すと3.6m×5.4m。奥行3.6mは、ドラムの後ろに人が1人立てるかどうかの広さです。
| 広さ | 寸法 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 1ユニット | 1間×1間=1.8m×1.8m(約1坪) | 組み合わせの単位。寸法は「間(けん)」で言われる |
| 2間×3間 | 3.6m×5.4m(6坪) | バンド1組の最小。テント下もこのサイズが定番 |
| 3間×3間 | 5.4m×5.4m(9坪) | 4〜5人編成が動ける広さ。返しを3本置ける |
| 3間×5間 | 5.4m×9.0m(15坪) | 大学祭のメインステージ。アルミトラス+屋根つきの標準形 |
高さも同じくらい効きます。H1000mm(1m)のステージは、階段が無いと上がれません。搬入のときに「機材をどう上げるか」が別の問題になるので、昇降の位置も図に描いておきます。
| 高さ | 種類 | 見え方・注意 |
|---|---|---|
| 200mm | 屋内のミニステージ | 教室・学食の一角。座って見る規模 |
| 450mm | 屋内/屋外の小規模 | 前方が座り、後方が立ち見でも見える最低ライン |
| 1000mm | イベント用(屋外の定番) | 立ち見が前提の中庭・グラウンド。昇降階段が必須になる |
| 20〜120cm | 可変式(簡単ステージ) | 傾斜地や段差のある場所で高さを合わせる |
野外ステージの配置図の例(3間×3間・H1000mm)
上手・下手は屋内と同じく客席から見た向きです。屋外は仮設でステージの向きが毎年変わるので、「↓客席側」の矢印を必ず入れるようにしてください。これが無いと、図を受け取った側は上下を推測で決めることになります。
② 電源——屋外の配置図はここが本題
屋内なら「電源×1」と書けば済みます。屋外はそもそも電気が来ていないか、来ていてもグラウンドの隅に防水コンセントが2口あるだけということが普通です。だから配置図に「合計で何W必要か」「何口、どこに要るか」を書きます。
機材ごとの消費電力の目安
ここで間違えやすいのが、アンプの「W」には2種類あることです。ギターアンプのJC-120は定格出力120Wですが、コンセントから引く消費電力は130W(公式仕様)。足すのは消費電力のほうです。
| 機材 | 消費電力の目安 | 数え方のメモ |
|---|---|---|
| メインSP2本 | 200〜800W | パワードSP1本で100〜400W。卓と同じ系統に入れない |
| ミキサー・卓 | 50〜150W | デジタル卓は一度落ちると復帰に数分かかる |
| 返し2本 | 160〜400W | パワードの返し1本で80〜200W。本数を増やすほど増える |
| ギターアンプ | 130W | JC-120は定格出力120Wでも消費電力は130W(公式仕様) |
| ベースアンプ | 200〜500W | ヘッド+キャビ。真空管ヘッドは電源投入時に多く食う |
| キーボード・同期 | 100〜200W | PC・I/F・パワーサプライ・譜面灯を合算する |
| LED照明6台 | 120〜600W | LEDパー1台で20〜100W。調光卓のぶんも足す |
| ハロゲン照明 | 300〜500W | 1台で300〜500W。学校の備品はこの旧式が多い |
| 配信・映像 | 100〜300W | カメラ・モニター。長い延長で電圧が落ちると最初に落ちる |
超えてはいけない値
| 決まりごと | 値 | 意味 |
|---|---|---|
| コンセント1口 | 1500W(15A)まで | 学校の屋外コンセント(防水コンセント)も同じ |
| 1回路(ブレーカー1つ) | 2000W(20A)まで | 別の口でも同じ回路なら合算。口の数=使える電力ではない |
| 発電機の選び方 | 合計W×1.2〜1.5 | 楽器・卓にはインバーター発電機(正弦波)が必須 |
| 電工ドラム | 全部引き出して使う | 巻いたまま通電すると発熱する。定格表示の値を超えない |
| 延長の距離 | 長いほど電圧が落ちる | 90m級の延長で大電力を使うと80V台まで落ちることがある |
計算例:4人バンド+小型PA+LED照明
メインSP 800W + 卓150W + 返し400W + JC-120 130W + ベースアンプ400W + 同期200W + LED照明400W = 約2,480W → 1系統(2000W)では足りないので2系統に分けるか、×1.3=3,224W → 3.0kW級の発電機を手配する。
発電機を借りるときの容量
発電機にはインバーター式とそうでないものがあります。楽器・PA卓・PCのようなデジタル機器にはインバーター式(正弦波)が必須です。安い非インバーター機は電圧と波形が乱れるので、機材が落ちたりノイズが乗ったりします。レンタルの申込みで「音響に使います」と伝えれば間違いは減ります。
| 発電機 | 動かせる構成の目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 1.6kW級 | 弾き語り+小型PA+LED数台 | コンセント口数が少ないので分配が前提 |
| 2.8kW級 | バンド1組+小型PA+LED照明 | 学園祭の野外ステージで最も使われる帯 |
| 3.0kW級 | 上に配信・映像を足した構成 | 連続運転5〜6時間。1日もたせたいならこの帯から |
| 5kW以上・三相 | 大型PA/大型照明/複数ステージ | 電気工事業者の手配が前提。学生だけで扱わない |
③ 雨天時の代替レイアウトを、晴れの図と一緒に出す
野外ステージで当日いちばん揉めるのは、雨そのものではなく「誰が、何時に、何を見て決めるのか」が決まっていないことです。配置図の雨天欄に判断時刻・判断する人・見る数値の3つを書き、テント下に縮めたB案の図を1枚添えておく。これだけで当日の判断は「どっちの紙でいくか」だけになります。
| 段階 | 判断の目安 | 配置図をどう変えるか |
|---|---|---|
| A:そのまま決行 | 小雨・風速5m/s未満 | 配置は変えない。卓・電源・パワーサプライにビニールとブルーシート。タオルを各自1枚 |
| B:テント下に縮小 | 弱い雨・風速5〜10m/s | 2間×3間(3.6m×5.4m)の下へ。奥行3.6m=アンプは横一列、返しは2本、Voマイクを1歩前に |
| C:屋内へ転用 | 降水量2mm/h以上・累積50mm以上 | 体育館・学内ホールの別紙レイアウトに差し替え。電源の口数が変わるので電源欄も作り直す |
| D:中断・中止 | 風速15m/s以上・雷・特別警報 | テントとトラスは撤去。15〜20m/sで中断検討、20m/s以上は即時中止。機材は先に逃がす |
数値はイベントの中止基準として実際に使われている値を並べたものです(降水量2mm/累積50mm、風速は10m/s未満なら通常・10〜15m/sで仮設物の点検と補強・15〜20m/sで中断の検討・20m/s以上で即時中止)。業務用テントは風速10m/s以下での使用が原則なので、風はテントの有無で判断が変わります。
B案:テント下に縮小した配置
濡らすと先に止まるものから守る
雨の日に最初に止まるのは、演者ではなく卓と電源です。優先順位はこの順になります。
- ブルーシート(卓・電源・アンプの上掛け用/2〜3枚)
- ゴミ袋とビニール(ペダル・パワーサプライを包む)
- 養生テープ(ガムテープは床と機材を傷める)
- タオル(手と弦の水を拭く/各自1枚)
- 漏電遮断器つきの電源タップ(屋外用)
- 重り(テント脚・譜面台・マイクスタンド用)
養生テープを使うのは、ガムテープが床と機材を傷めるからです。屋外で地面を這うケーブルは、人が通る線の上だけでも必ず留めてください。
④ 音量と近隣配慮——スピーカーの向きは図で決まる
野外ステージで「音を出していい上限」を明記している大学は多くありません。実務で判断の拠りどころになるのは、次の4つの数字です。
| 項目 | 値・目安 | 意味 |
|---|---|---|
| 環境基準(住居地域) | 昼55dB/夜45dB | 法の基準値。ここを守って演奏するのは現実には不可能 |
| 野外ステージの運用例 | ステージ正面で最大85dB以下 | 都立公園の誓約書の例。超えたら主催がその場で下げる |
| 時間の区切り | 18時以降は音を落とす | 拡声機の条例は20時〜翌8時を制限。学内規定はさらに早い |
| 近隣への事前周知 | 1〜2週間前に掲示とポスティング | 苦情は「音の大きさ」より「知らされていないこと」で起きる |
フェスやライブの音量そのものを直接取り締まる法律はありません。だからこそ学内規定と大学の近隣対応がそのままルールになります。配置図のスピーカーの向きを1つ変えるだけで苦情が止まることもあるので、スピーカーの向きと住宅の方向を図に書いておくのが実務的な予防策です。
⑤ 搬入経路と電源の位置を、図の中に書く
屋外ステージには楽屋も袖もありません。だから、屋内なら会場が持っている機能を、全部こちらで図に書くことになります。
| 書く欄 | 何を書くか | 抜けると起きること |
|---|---|---|
| 搬入経路 | トラック/台車が通る道を矢印で | 段差・階段・スロープの位置と幅を書く |
| 機材置き場 | ステージ横か裏に1枠 | 置き場が無いと通路に積まれ、通行止めになる |
| 電源の位置 | 分電盤・発電機・屋外コンセント | ケーブルが横切る場所は養生する箇所として書く |
| 袖・待機 | 次の出番が待つ場所 | 屋外は袖が無いのでテントかパイロンで作る |
| 昇降 | 階段・スロープの位置 | H1000mmのステージは階段なしでは上がれない |
とくに電源の位置は、書いてあるかどうかで当日の手間が大きく変わります。分電盤がステージ下手にあるのに上手でキーボードを使うなら、ステージを横切るケーブルが1本増える——その事実を図で先に見せておけば、養生の準備も当日の動線も変わります。出番の順番と転換時間はタイムテーブルの作り方にまとめています。
野外ステージ配置図シート(A4・4ページ)を無料ダウンロード
ここまでの内容を、そのまま印刷して埋めるだけのA4シートにしました。1ページ目が記入用(寸法・配置図・電源・雨天の4欄)、2ページ目が記入例、3ページ目が電源と雨天の早見表、4ページ目が提出前チェックリスト20項目です。登録不要・完全無料、印刷も配布も改変も自由です。

使う順番は3ステップです。① 実行委員にステージの間口・奥行・高さを聞いて1ページ目の上段を埋める → ② 3ページ目の早見表で合計Wを出し、口数と発電機を決める → ③ 雨天欄に判断時刻・判断する人を書き、B案の図をもう1枚描く。この3つが埋まっていれば、当日に実行委員から電話が来ることはほぼありません。
体育館(文化祭)のステージと何が違うか
同じ学校行事でも、体育館と屋外では困りごとが別物です。どちらに出るかで、図に力を入れる場所が変わります。
| 項目 | 体育館ステージ | 屋外・仮設ステージ |
|---|---|---|
| 音 | 反響して回る。ハウリング対策が主役 | 音が抜けて返ってこない。返しの本数が効く |
| 電源 | 壁のコンセントから延長で引く | そもそも無いことがある。発電機の手配から |
| 天候 | 関係ない | 雨天のB案・C案が要る |
| 近隣 | 校内で収まる | 住宅に届く。スピーカーの向きと時刻 |
| 搬入 | 屋内を台車で運べる | 地面・段差・雨で養生が要る |
体育館ステージに出る場合は文化祭・軽音バンドのセット図(体育館ステージの配置図つき)を、吹奏楽やオーケストラのように奏者が並ぶ配置なら吹奏楽のステージ配置図の作り方をどうぞ。照明を使うステージならライブの照明の種類と当て方も参考になります。
スマホで1分、野外ステージの配置図を作る
「Excelで図形を並べていたら1時間たった」——学園祭の準備で最も多い時間の使い方です。セット図くんなら、編成のひな形を選んで記号を並べ、備考に電源の口数と雨天のB案を書くだけ。登録不要・完全無料で、PDFにも共有リンクにも出せます。晴れの図と雨天の図を2枚保存しておけば、当日は選ぶだけです。

